MFクラウドのデータ登録の方法まで、確認していきました。
クラウド会計のメリットは、自動で明細を取得してくれるところにあります。
連携のさせ方を間違えると、二重で計上されてしまったりと修正する方が大変になってしまいます。
今回は、Amazon(通販サイト)の連携とクレジットカードを連携させた時、スムーズに連携がとれるように注意点を確認していきます。
[aside]追記情報
2018年7月4日
口座連携時に「対象外」を使った場合について追記しました。
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データ連携の確認
クレジットカードとAmazonのデータ連携の設定の確認を行いましょう。
Amazonの設定
- AmazonのアカウントをMFクラウドに連携します。
- Amazonの支払のクレジットカードを、MFクラウドで連携させているクレジットカードと同じものにします。
クレジットカードの設定
- クレジットカードをMFクラウドに連携します。
Amazonのアカウントの支払クレジットと、MFクラウドへ連携したクレジットカードを同じものにしておかないとスムーズな連携が取れません。
Amazonのアカウントの支払クレジットとMFクラウドで連携しているクレジットカードの情報を確認してみましょう。
Amazonとクレジットカードを連携したときの入力手順
やってしまいがちな処理
Amazonとクレジットカードを登録して、やってしまいがちな処理として、このようながあります。
- Amazonの連携で、「消耗品」などの費用を登録
- クレジットカードの連携で、Amazonの支払を「消耗品」などの費用を登録
両方で、「消耗品」と登録してしまうことで、費用の二重計上になってしまいます。
Amazonとカードをただ単純に連携しただけではこのようなことが起きがちです。
簿記の仕訳にすると、このような状態です。
MFクラウドは使えば、学習してくれるので徐々に間違いは少なくなっていきます。
Amazonとクレジットカードを連携した場合には、次のような手順で登録を行いましょう。
入力手順
step1:Amazonでのデータ登録
Amazonの連携を開き、摘要を確認し、それぞれの科目へ登録します。
拡大
簿記の仕訳で表すと、このような形になります。
step2:クレジットカードでのデータ登録
クレジットカードの連携を開き、Amazonの支払は、「勘定科目:未払金」・「補助:Amazon」で登録します。
拡大
Amazonのサイトでの支払いを、クレジットカードで行っただけなので「消耗品費」や「新聞図書費」とはなりません。
ここで、「消耗品費」や「新聞図書費」などの費用としてしまうと、上記の「やってしまいがちな処理」と同じになってしまうので注意が必要です。
簿記の仕訳で表すと、このような形になります。
step3:確認方法
入力手順を踏んでも、Amazonの仕訳が合っているかどうか分からない、二重計上になっているかもしれないと思われるかもしれません。
Amazon→クレジットカードときちんと入力されているか、は試算表を確認することで分かります。
- MFクラウド会計・確定申告の会計帳簿→残高試算表をクリック
- 「未払金:Amazon」をクリック
未払金:Amazonの「元帳」へ入ります。
※元帳は、未払金:Amazonの動きを表しています。
step1で、Amazonから消耗品を登録した場合、下記のようになります。
拡大
購入した金額が残高として残っています。
step2で、クレジットカードからAmazonの代金を支払ったと登録した場合、下記のような動きになります。
拡大
Amazonの代金をクレジットカードで支払ったため、未払金:Amazonの残高はゼロとなります。
試算表上は、このようになります。
一番右の数字(残高)がゼロになっていれば、正しくAmazon→クレジットカードの登録は済んでいます。
最後に、簿記の仕訳として動きを確認しておきましょう。
step1、step2をやることで「未払金:Amazon」はゼロになり、残るのは黄色で示した部分のみになります。
「消耗品をAmazonのサイトで買って(step1)、クレジットで支払った(step2)」という一連の流れを簿記で表したことになります。
仕訳連携の「対象外」について
MFクラウド会計・確定申告には連携口座の登録画面で、「登録」とその横に「対象外」というボタンがあります。
AmazonとAmazonの支払いを紐づけたクレジットカードを上記のようにフルで連携している場合には、「対象外」は利用しないようにしましょう。
対象外の利用場面は?
対象外を使う場面は、
- 個人事業主やフリーランスが、必要経費になるものだけを連携したアカウントから抜き出す場合
- 社長の個人的なAmazonのアカウントで会社の経費になるものを立て替えて購入した
といった場合に利用します。
口座の残高を管理せず、必要な部分だけ抜き出すときに便利です。
例えば、プライベート用のAmazonを連携していて事業用のファイルの購入、プライベート用の購入があった場合。
プライベートの費用は、事業とは無関係なので、「対象外」として会計データに取り込まないこともできます。
実際の画面では、「対象外」のボタンを押すことで連携対象から除外することができます。
フルで連携している場合に対象外を使うと??
事業用のアカウントでプライベートの買い物をしてしまったといった場合、プライベートでの買い物分は本来仕訳として登録する必要はありません。
しかし、当記事で紹介してきた方法を利用していて「対象外」を利用すると、Amazonの残高・クレジットカードの残高が狂うことになってしまいます。
Amazonの連携だけ、プライベート分を対象外にした
Amazonとクレジットカードの両方、プライベート分を対象外にした
どちらかの残高が合わなくなる→解決策
上記の仕訳&残高のように、「対象外」を利用して登録から除外すると、どちらかの残高が合わなくなってしまします。
クレジットカードの引き落とし時に、事業用とプライベート用の合計額が引き落とされるためです。
もし、事業用のアカウント+クレジットカードで、プライベート用の買い物をしてしまった場合、
- 個人事業主やフリーランスの場合→「事業主貸」勘定
- 法人の場合→「立替金」や「役員借入金」勘定
を利用することで解決することができます。
個人事業主やフリーランスの場合は簡単で、「事業主貸」勘定を利用するだけで済みます。
法人の場合、プライベートなものを会社が立替払いしたことになるので、後日立替部分の精算が必要になります。
個人事業主・フリーランスの場合
事業主貸を使ってプライベート分も連携することにより、Amazon、クレジットカード両方の残高がゼロになります。
法人の場合
法人の場合、立替金を利用することで、Amazon・クレジットカードの残高がゼロとなります。
立替金に残高が移ることになるので、最終的に社長から法人へ立替分の入金(会社が立て替えた分の精算)が必要になります。
まとめ
クラウド会計を使うと、自動でデータを取り込んでくれるため便利ですが、万能ではありません。
対象外を使うと、余計にややこしくなることもあり、ちょっとしたコツが必要だったりもします。
当事務所では、クラウド会計の設定が合っているかの確認、クラウド会計のセットアップも承っております。