港区の10人未満の個人事業主、中小企業の支援が得意な税理士、山川です。
最近、アウトソーシングやBPOのお話を記載させていただいておりますが、税理士事務所や司法書士事務所、社労士事務所をグループにもち、専門家が連携してワンストップサービスを提供しているところもあります。
今回は、企業のバックオフィス業務を効率化するための手段として、「アウトソーシング」、「BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)」、「ワンストップサービス」のそれぞれの特徴と違いについてご紹介してみたいと思います。
アウトソーシングとは?
「アウトソーシング(外部委託)」とは、企業の業務の一部を外部の専門業者に委託することを指します。
例えば、給与計算、記帳代行、経理業務、コールセンター業務などがアウトソーシングされる代表的な業務です。
アウトソーシングの特徴
- 一定の業務を外部委託することでコスト削減が可能
- 専門知識を持つ業者に委託することで業務の品質向上
- 必要に応じて部分的に委託できるため、柔軟な対応が可能
ただし、業務全体の効率化やプロセスの最適化までは対応していないケースが多いのが特徴です。
BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)とは?
BPO(Business Process Outsourcing)は、アウトソーシングの一形態ですが、単なる業務委託とは異なり、業務プロセス全体を外部に委託することを指します。
BPOの特徴
- 単なる業務の委託ではなく、業務のプロセスそのものを最適化
- ITやAIを活用した業務効率化が可能
- コア業務に集中できるよう、バックオフィス業務を包括的にサポート
例えば、経理業務のBPOでは、単に記帳を代行するだけでなく、経費精算システムの導入やワークフローの改善など、業務全体の最適化を支援します。
ワンストップサービスとは?
ワンストップサービスとは、企業が必要とする複数のサービスを一括して提供することを指します。
税理士事務所が提供するワンストップサービスは、会計・税務だけでなく、必要に応じて他士業との連携を行うことが特徴です。
ワンストップサービスの特徴
- 企業のバックオフィス業務を総合的にサポート
- 依頼先を一つにまとめることで管理コストを削減
- 各分野の専門家と連携し、スムーズな業務運営が可能
例えば、弊社では記帳代行のサービスメニューは提供していますが、経理代行業務は行っておりません。しかし、登記が必要な場合には司法書士と連携し、社会保険の手続きが必要な場合には社労士へ必要なデータを連携することで、企業のバックオフィス業務をスムーズに支援します。
それぞれの違いを比較
項目 | アウトソーシング | BPO | ワンストップサービス |
---|---|---|---|
業務範囲 | 一部の業務のみ | 業務プロセス全体 | 必要に応じた士業連携 |
目的 | コスト削減 | 業務効率化・最適化 | 総合的な業務支援 |
提供形態 | 外部委託 | IT・DXを活用した業務最適化 | 税理士・社労士・司法書士などの専門家が連携 |
※アウトソーシング会社、BPO会社は、専門家業務を行うことができません。税務申告や登記を行う場合には、別途専門家へ依頼する必要があります。
アウトソーシング+ワンストップサービス、BPO+ワンストップサービスの組み合わせ
アウトソーシングやBPOを活用しながら、ワンストップサービスと組み合わせることで、より包括的な業務支援が可能になります。
アウトソーシング+ワンストップサービス
アウトソーシングで一部の業務を外部に委託しつつ、税理士事務所が士業連携を行うことで、企業の業務効率化を総合的に支援します。
BPO+ワンストップサービス
BPOを通じて業務プロセスを最適化しながら、必要に応じて司法書士や社労士との連携を行い、企業のバックオフィス業務をスムーズに進めることができます。
税理士事務所が母体のアウトソーシング・BPO会社の存在
最近では、税理士事務所や税理士法人が母体となってアウトソーシング会社やBPO会社を運営し、総合的なバックオフィス支援を行っているケースもあります。
これにより、会計・税務だけでなく、経理業務全般の支援や、ITを活用した業務の最適化をワンストップで提供することが可能になります。
まとめ
アウトソーシング、BPO、ワンストップサービスには、それぞれ異なる特徴があります。
- アウトソーシングは「特定業務の外部委託」
- BPOは「業務プロセス全体の最適化」
- ワンストップサービスは「必要に応じた士業連携による総合的な業務サポート」
また、アウトソーシング+ワンストップサービス、BPO+ワンストップサービスの組み合わせや、税理士事務所が母体となった総合的なバックオフィス支援も選択肢として考えられます。
どのようなサービスを受けたほうが良いのか、税理士へ相談してみましょう!