会計ソフトを変えなくても業務効率化はできる!税理士が教える具体策とは?

バックオフィス

「業務効率化」と聞いて、「新しい会計ソフトに変えないとダメなのでは?」という考え方も多いかもしれません。

業務環境を丁寧にヒアリングすれば、会計ソフトを変えずにできる業務改善策を提案できるかもしれません。

紙の領収書のデジタル化する

「経費の見積書や請求書を毎月まとめて入力するのが大変…」

解決策:スキャンまたはスマホ撮影でデジタル化

  • 紙の領収書・請求書をスキャンしてデータ化
  • 領収書を撮影し、そのままクラウドへ保存
  • ExcelやGoogleのスプレッドシートで一元管理をし、入力を簡単に

スキャナー(例えばScanSnapなど)を導入し、PDFデータにするだけで、データ化しやすくなり、入力の手間を大幅に減らすことができます。(CSVデータのインポート)

また、既存の会計ソフトが電子帳簿保存法に対応しているのであれば、会計ソフトへ取り込むことで電子帳簿保存法の要件も満たせるかもしれません。

銀行取引の自動連携の活用

「銀行明細を手入力していて時間がかかる」という場合も多いですが、会計ソフトを変更しなくても効率化することは可能です。

銀行データの自動連携、インポート処理

  • インターネットバンキングを活用し、会計ソフトにデータを自動で取り込む(既存の会計ソフトでも、連携機能を持っているものもあります。例えば弥生会計のデスクトップ版)
  • CSVデータをダウンロードし、会計ソフトのインポート機能を使って取り込む

インターネットバンキングから出力できるデータをそのまま使うことで、記帳時間を短縮できる場合があります。

既存の会計ソフトに連携機能があるか、インターネットバンキングでCSVデータがダウンロード可能か確認してみましょう。

給与計算・請求書発行の効率化

給与計算は、社会保険料や源泉所得税の計算、有休の管理などExcelや手計算は非常に煩雑になります。請求書も作成から発行までとても時間がかかります。

ツールを有効活用しよう

  • 給与計算ソフトのデータを既存の会計ソフトに連携(弥生給与など)
  • Excelの関数やマクロを活用して、請求書発行を自動化
  • クラウドストレージでデータを一元管理し、情報共有をスムーズに

例えば、無料の請求書発行ツール(Misocaなど)を活用するだけでも作業時間が大幅に短縮できます。

給与計算ソフトは、社会保険関係の手続きの書類も作成できる機能を有しているものもあるため、会計ソフトを変更しなくても導入をオススメします。

直接既存の会計ソフトへ連携できなくても、給与計算ソフトや請求書ソフトからCSV出力ができれば、少し加工することで会計ソフトへインポートすることができるかもしれません。

仕訳ルール、仕訳辞書などの見直し

「毎月、同じ入力を手で入力している」という場合には、仕訳ルールや仕訳辞書など定型の型の見直しをすることをオススメしています。

  • よく使う仕訳パターンを辞書やテンプレートとして登録
  • 取引内容に応じた仕訳ルールの設定

毎月の家賃の支払い、通信費の支払いなど仕訳辞書や、テンプレートにするだけでも作業時間を削減できます。

より細かく、補助科目自体の税区分を設定したり、推測させるようなルールを組み込めると仕訳の精度も上がります。

業務フローの見直し

社内の業務フローが非効率になっていないかをチェックすることも業務効率化につながります。

  • 業務フローの棚卸
  • 業務範囲の明確化
  • 情報共有の方法を見直す

業務フローを棚卸して、見える化することで、業務の無駄になっていることを洗い出し作業の分担がしやすくなること、進捗状況がわかりやすくなり、業務が進めやすくなります。また情報の共有の方法を見直すことで、営業担当が直接データを保存してくれるようになったりもします。(chatWorkやGoogledriveの活用など)

まとめ

会計ソフトを変えずに業務効率化をする方法はたくさんあります。ポイントは、現在の業務フローを見直し、小さな改善を積み重ねることです。

  • 紙の領収書・請求書のデジタル化
  • 銀行取引の連携やインポートを考える
  • 給与計算・請求書発行の効率化
  • 仕訳ルール、テンプレートの見直し
  • 業務フローの整理

「業務効率化したいけど、何から手を付けたらいいか不安…」という方は、ぜひご相談いただけますと幸いです。

業務をヒアリングさせていただき、改善できるところを一緒に見つけましょう。

次回は、弥生会計デスクトップ版を使用したまま業務効率化する具体例をご紹介します!